日本において肩こりに一度もなった事がない人はいるでしょうか?いるとしたら前世でよほど功徳を積んだに違いありません。
お母さんの誕生日プレゼントの定番はそう!「肩たたき券」です。それぐらい肩こりは最も起きやすい不定愁訴です。
*ここでは肩こりと便宜的にいいますが首こりも含むものとします。
日本人の不定愁訴堂々の第一位の「肩こり」
がなぜ起きて、なぜなかなか改善しないのかを整体師目線で話していきたいと思います。

コリとは筋肉の緊張である。
国語辞典で「凝り」と調べると次のように出てきます。
1.筋肉がかたくなってその部分が重く感じられること。「肩の—」「—をほぐす」
つまり肩こりは慢性的に筋肉が緊張している状態だと言えます。
ではなぜ慢性的な筋肉の緊張である「凝り」は首肩に起きやすいのでしょうか?
それには身体の構造が関係しています…
おめでとうございます!現代人は猫背、巻き肩になる運命です

鏡の前で自然に立ってみましょう。
その時あなたの手はどこにあるでしょう?
身体よりだよりだいぶ前の方にあるのではないでしょうか?
つぎは横向きの姿勢を見てみます頭の位置も間違いなく前の方に来ていませんか?
おめでとうございます。
皆さんはまごうことなき猫背、巻き肩です。
これは人間の目が前についており、背骨がS時の湾曲であること、また手を使って作業をするためにおきます。
そして残念なお知らせです…
立っている状態よりも座っている状態のほうが背骨にかかる圧力は1.4倍になります。
また今あなたがしているように頭を突き出してスマートフォンを覗いていると、首にかかる負荷はニュートラルな頭の位置の約5倍にもなります。
もしあなたが座りながらテーブル置いてる
スマートフォンを覗き込んでいたとしたら…
おっとこの話はここまでにしておきましょう
頭と腕はめちゃくちゃ重い…
頭の重さはだいたい体重の10% くらいと言われています。体重が50kgであれば約5kg。
片腕の重さは、体重の約6%と言わており、 体重が50kgなら腕の重さは約3kgということになります。両腕合わせると6キロにもなります。
腕と頭2つを合わせるとなんと体重の22%にもなり、50キロの体重であれば11キロにもなります。

これらの重さが猫背、巻き肩の姿勢により身体の中心から遠ざかることで負荷は増加していきます。
テコの原理を理科で勉強したとおり
おなじ重さなら支点からの距離が遠ざかるほど大きな負荷が掛かります。
ではその負荷を支えるのは何でしょうか?
そう!肩周りの筋肉なのです!
大きな負荷が慢性的にかかる筋肉は慢性的な緊張状態になり、肩こりになるというわけです。
一度肩コリになるとなかなか抜け出せないのはなぜか?
筋肉の慢性的な緊張が起こるとどうなるでしょうか?
筋肉の中にも血管が通っています。
筋肉が緊張すると血管を圧迫して、血流が悪化します。血流が滞ると、老廃物排出できず
さらなる筋緊張を呼び起こします。
その間も私達はせっせとディスクワーク
スマートフォンを見ているという具合です。
筋緊張と血流の悪化それによる老廃物の蓄積は相互に負のサイクルを起こします。

なので世に出回ってる肩こりにはこれ!
といった方法は①〜③のどれかを改善することで肩こりに対して効果を出そうというものだと理解して下さい。
①筋緊張 例:マッサージ
②血流の低下 例:肩周りの運動
③疲労物質(疼痛誘発物質)例:湿布
このような情報は非常にありふれています。
みなさんもご存知かもしれません。
「そんな事は知ってるし、やってたよ!それでもその時しか良くなんないから困ってんだよ!!」という方もいらっしゃいます。
ではなぜこれらの方法では一時的にしか改善しない人がおおいのでしょうか?
筋緊張のバランスはオートマチックに起きている
私達の身体は生命維持を無意識に行ってくれます。心臓を動かそうと思わなくても心臓が動き、必要な栄養素を身体の隅々に届けてくれます。それはオートマチックです。
これは筋緊張にも言えることです。
あなたの靴の裏に小石が入り込んでしまって違和感があれば、ほとんど何も考えずに小石が足の裏にあたっても痛くないような歩き方をします。このように私達の動作や姿勢はほとんど無意識に決定されます。
身体は私達が感じとっているよりも遥かに多くの情報を受け取って、それに対して対応をしているわけです。
そして身体の状況はもちろんのこと
身体の対応も個人差があります。
それはストレスを感じると胃腸に症状として現れる人もいれば、頭痛を起こす人がいたり、同じ化粧水を使っても、肌に合う人と合わない人がいることと同じです。
そして筋緊張のバランスというものは
肩なら肩のみ、脚なら脚のみで決まるものではなく、全体の状況によって決まるのです。
肩周りの筋肉が緊張しなくて良い環境を整える
基本的に男性よりも女性の方が肩こりでお悩みの方が多いです。これはいくつかの要因が考えれます。
女性の方が筋肉の量が少ない
ホルモンバランスの影響を受ける
乳房の分の重さがある
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